この記事では、カーオーディオの入門とも言われているスピーカー交換を検討している人に向けて選び方のコツを紹介していきたいと思います。

カーオーディオの入門ともされているスピーカーの交換ですが、いざ交換しようと思ってカタログ見てみても用語の意味がわからなかったり、何を基準に選んでいいのかがわからないという人がほとんどだと思いますので、その説明をさせていただきます。
カーオーディオのスピーカーのタイプ
まずスピーカーには、大きく分類してコアキシャルスピーカーとセパレートスピーカーの2つのタイプがあります。
コアキシャルスピーカーの特徴
まず、コアキシャルスピーカーの特徴は
- ウーハー部(低音域担当)とツイーター部(高音域担当)が一体
- 中低音が不足しがち(コーンの面積が小さくなることから)
- 一体型のため音のまとまりはある
- セパレートに比べて値段が安い
- 取り付けが簡単(純正と交換するだけ)
となっています。価格も安価なことから純正品もこのスピーカーが使用されることが多いです。
セパレートスピーカーの特徴
一方、セパレートスピーカーの特徴は、
- ウーハー部(低音域担当)とツイーター部(高音域担当)が別体
- コアキシャルに比べ中低音が強い
- 別体型のためセッティングが難しい
- コアキシャルに比べて値段が高い
- 取り付け難易度がコアキシャルに比べて難しい(ウーハー部、ツイーター部別々に設置が必要)
- 物によってはネットワークの設置、調整が必要
となっています。
音質が綺麗なのはセパレートスピーカーなのか?
それぞれのスピーカーにメリット、デメリットがありますし、一概には言えないですが、プロが取り付けを行う場合セパレートタイプの方が音質が綺麗になる傾向にあります。
理由としては、別体型になるため設置場所に自由が生まれ、低音、高音それぞれが100%の力を発揮できるためです。
メーカーについては国内外色々なものがありますが、各メーカー音に特徴があるためこれは実際にカー用品店に足を運んで聞いてみるのが一番です。その中で一番気に入った音のメーカーの中からグレードを決めるといいですよ^^
カタログスペックの見方
実際店舗に行くと各メーカーカタログが置いてあると思うのですが、あれを初心者の方が見てもわからないと思いますのでカタログスペックの見方について説明します。
スピーカー口径とは
16cm,17cmなどと表記されます。
フレーム部分まで含めたスピーカーの大きさ(直径)を表しています。通常10・12・13・16・17cmくらいのラインナップがあり、車種に合わせて選びます(スピーカーホールの大きさがあるため)
最大入力とは
120Wなどと表記されます。
これはごくわずかな時間であれば、スピーカーが壊れない最大の入力数です。通常定格出力の2倍から3倍に設定されています。
定格入力とは
60Wなどと表記されます。
これは連続して入力(音を鳴らしても)しても壊れない最大の入力数のことです。
スピーカーを選ぶときは定格入力がユニット(ナビ、デッキ)の出力より大きすぎないものを選びます。
大きすぎると入力に余裕があり大きな音で聴き続けた場合、常にユニット(ナビ、デッキ)に負担がかかるため最悪出力側が壊れてしまいます。
通常、外部アンプ等を使用せずに使用する場合は40wから60wくらいのものを選びます。
公称インピーダンスとは
4Ωなどと表記されます。
これは、スピーカーの抵抗のようなものです。インピーダンスはどのメーカーのスピーカーとアンプとの組み合わせでも使えるように、大体4Ωに定められています。
他に1Ω、2Ω、8Ωのものが存在しますが、こちらはスピーカを並列や直列に組むことにより出力に合わせて使用することができます。しかし、初心者に説明するには難しいお話なのでまずは気にせずに4Ωのものを選びましょう!
周波数特性域とは
45Hz〜40kHzなどと表記されます。
そのスピーカーが再生できる周波数の低音域から高音域までを表わしています。広ければ広いほどそのスピーカーからいろんな音域の音が出せて、下は低ければ低いほど低音まで出せ、上は高ければ高いほど高い音まで出せるとされています。
しかし、人間の耳が聞こえる範囲は一般的に16Hz~20.000Hzと言われています。(40Hz以下はほぼ振動のような感じです)
能率とは
88dBなどと表記されます。
主に、スピーカーの出力音圧レベルのことを言います。スピーカーに1Wの信号を入れたときに、振動板から1m離れたところで音圧を測り数字で表現します。これは高ければ高いほどいいです。
取付穴直径、取り付け深さとは
mmで表記されます。スピーカーの取り付ける穴の直径や、スピーカーの後ろ部分の出っ張り深さのことです。あまり深いものだとウインドウガラスが下がった時に接触してしまったりするので、確認を忘れないようにしましょう!
こんな感じになっています。なるべくわかりやすく書いたつもりですが、その中でも専門用語が出てしまっていますね^^;
次に、スピーカーの種類について詳しく説明したいと思います。先ほどのスピーカーのタイプの説明でも出てきていました「ウーファー」や「ツイーター」などといったものについて説明していきます!
カーオーディオのスピーカーの種類と担当音域
まず、スピーカーが音を鳴らすものだということくらいは誰でもわかると思うのですがスピーカーには高音を得意とするものと、低音を得意とするものがあります。細かく分類するとこのくらいあります!
- フルレンジスピーカー 全帯域用(50Hz~15kHz)←純正で採用されているほとんどのものがこれ
- サブウーファー 重低音用(約100Hz以下)←最も低い音を担当する(ウーハーやウーファーと呼ばれるが同じものです)
- ミッドレンジ 中低音用(20Hz~5kHz)←2WAYシステムのドアに取り付く方
- スコーカー 中音用(500Hz~5kHz)←3WAYシステムに多い
- ツイーター 高音用(5kHz~24kHz)←通常ツイーターと呼ばれるものはこれ
- スーパーツイーター 超高音用(25kHz~100kHz) ←通常あまり使われない
色々な呼び方やこのほかにもありますが、ざっくりこんな感じで覚えておくといいですよ^^ただ鳴らすだけならいくつもの種類のスピーカーは必要ないのですが、いい音を作り上げようとするとスピーカーの構造から何種類も使わざるを得ないということになります。
構造としましては、スピーカーの裏側についているコイルと呼ばれる磁石に電流が流れてコーンと呼ばれる振動板を振動させることにより、空気を振動させて音を出しています。
スピーカーの口径と得意な音域
スピーカーは口径が大きいものが低音を得意としていて、逆に小さいものは高音を得意としています。
高音を再生するスピーカーの振動板は、できる限り軽く作る方が良くて、低音を再生するスピーカーの場合はある程度の重さがあるほうが良いと言われています。
また、高音を再生するには、スピーカーの振動板の面積小さい方が良くて、低音を再生するスピーカーの振動板は面積が大きい方が良いと言われています。理由としましては、高音の再生は振動板の振動が速いため、小さな面積のスピーカーを何往復もさせなければなりません。
これを面積の大きなスピーカーでやろうとすると大きな電力を必要とするため、能率が落ちてしまいます。逆に低音の再生ではできるだけ多くの空気を振動させてあげなければいけないので、面積が大きくて重い振動板が欲しくなります。
面積の大きくて重い振動板を動かすということは、大きな電力が必要となると同時にコイル(磁石)もしっかりと大きくて重いものが欲しくなります。また、振動させるためのストロークもたくさん必要となり、その振動に耐えうるガッチリとした作りにしないといけないため結果、後ろに大きく飛び出た作りとなります。
このような音の特性からスピーカーの構造が変わるため、同じスピーカーで全帯域をカバーしようとすると能率も落ちるし、現実的に不可能なことから各帯域が得意なスピーカーを使い分けた方がいい音に近づいていくというわけです。
また、カーオーディオの場合車内という特性から取り付けに工夫が必要となります。
音の特性とスピーカーの取り付け位置
まず高音は音に方向性(どこから鳴っているか分かる)がありますが、低音には方向性ほとんどありません。人間の耳は40Hz以下の音がどこから鳴っているかわからないそうです。
通常前方定位(前から聞こえるようにする)がまとまりのありいい音とされていますが、車内の高い位置に大きくて重いスピーカーを取り付けることがスペースの関係上困難な為、だいたいドア等の低い位置に、ウーファーまたはフルレンジスピーカーが取り付けられています。
これでは高音域も下から聞えてしまうので、これを出来るだけ前方定位にする為にツィーターやスコーカーを高い位置に取り付けることになります。複数のスピーカーの音(なっている場所が違う)をしっかりと一つの音に聞こえるようにネットワーク(コンデンサ使用)を使用したり、ヘッドユニットで調整をしたりするわけです。
しかし、セパレートスピーカー等に付属で付いてくるようなネットワークは、低音をツィーターで鳴らして壊れてしまうのを防ぐためについてくるものが多いそうですので、細かな調整はできないものと思ってください。
スピーカーや音の特性については以上ですが、このほかにもたくさんの要因を乗り越えた先に自分の満足のいく音が待っています。
カーオーディオの世界はハマると抜け出せないことから「音沼」なんて呼ばれています。笑
初めはスピーカー交換で満足していても、だんだんもっといい音で聴きたいと思うようになり音沼にはまっていくわけですね・・・笑。あまりハマりすぎないように自分の予算と相談しながら車内を快適サウンドにしていきましょう^^笑
どんなに高いスピーカーを使おうが、アンプを積もうが、全てはしっかりとした取り付けと調整によって初めていい音にすることができますので、高いスピーカーを素人がつけるより安いスピーカーをプロが取り付ける方がいい音になることさえあります。
初めての方はあまり気にせずにまずは安価なものから試してみればいいと思います。十分に効果を体感できますよ^^
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